導入事例

ロゴ:株式会社神高

山間部の工事現場での電話とデータ通信を実現
緊急連絡手段の確保に加え業務効率も向上
導入の目的:BCP対策、働き方改革、業務効率化など

株式会社神高 後列左からドコモショップ富山店 白﨑達也氏、NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社 北陸支社 第一グループ 第五チーム 正保啓子、北陸支社 第一グループ 第五チーム 担当課長 飯室和枝。前列左から株式会社神高 代表取締役 井上英司氏、取締役 工務部長 塚原農氏、工務部 主任 板矢大生氏
課題
  • ●携帯電話圏外の工事現場における安否確認の仕組みが必要
  • ●現場では関係各所とのメール送受信ができず業務に支障
  • ●働き方関連法の施行に合わせた労働環境の整備
対策
  • ●「Starlink Business別ウィンドウで開きます。」の導入で山間部でのデータ通信を実現
  • ●「Arcstar Smart PBX別ウィンドウで開きます。」のセット導入で電話の利用も可能に
  • ●「Arcstar Smart PBX別ウィンドウで開きます。」が衛星電話サービスと同等のコストで利用できる点も評価
効果
  • ●従業員の安否確認など、緊急時の連絡に電話が利用可能に
  • ●現場事務所で電話やメールが使えることにより業務効率が向上
  • ●状況に応じて利用を停止できる柔軟な運用でコストを抑制
展望
  • ●山間部の現場で大容量のデータ通信を実現する仕組みの構築
  • ●市街地の現場における工事や手続き不要の新たな連絡手段の確保
  • ●ITを活用したDX推進でさらなる業務効率化、働き方改革に挑む

NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社は全国のお客さまへ営業活動を行うNTTドコモビジネス株式会社のグループ会社です。

※2025年7月、社名変更により、ドコモビジネスソリューションズはNTTドコモビジネスソリューションズに、NTTコミュニケーションズはNTTドコモビジネスになりました。
そのため取材日は2025年3月ですが、新社名にて掲載をしております。

課題

携帯電話圏外の工事現場における緊急連絡の手段に加え
関係各所とメール送受信ができる新たな仕組みづくりへ

 株式会社神高は1956年、山間奥地にある有峰(ありみね)地域の山林開発のために創業。現在は富山県、岐阜県(高山市)を中心に道路・河川、都市造成、上下水道など、地域の安全およびライフラインを守る多様な工事を手がけている。創業当時より掲げる「重ねる創意」「溢れる誠意」「旺盛な意欲」「謙虚な接遇」という4つの理念を柱に、水力発電所の工事や山林維持管理などで培ってきたオンリーワンの技術とノウハウを生かし、地域社会の発展に貢献し、人々の暮らしを守り続けている。
 「もともと山林開発からスタートした会社のため、現在も山間部の土木工事や道路維持など、山に関する事業を多く行っています。
そのため、携帯電話がつながらない現場が多く、かねてより緊急時の連絡手段が懸念となっていました。たとえば、豪雨などで林道が崩れて通れなくなったときなどに、従業員の安否を確認する手段の確保が喫緊の課題でした」と、同社の井上英司氏は語る。

株式会社神高( 取締役 工務部長 塚原農氏
株式会社神高
取締役 工務部長 塚原農氏
株式会社神高 代表取締役 井上英司氏
株式会社神高
代表取締役 井上英司氏

 このような従業員の安否確認のみならず、携帯電話がつながらない現場では、業務においてもさまざまな支障が生じていた。「緊急時の連絡手段として、衛星電話を利用していた時期もありました。昨今は役所や取引先などとのやりとりにメールは不可欠です。急ぎの要件をメールで送る際には電波のつながるところまで車で移動したり、メールを確認するために会社に戻ってPCで作業するといった稼働が発生していました」と、同社の塚原農氏が現場の課題を挙げる。
 2024年、働き方改革関連法の施行により建設業の時間外労働の上限規制が適用され、建設業界には法令に則った労働環境の整備が求められている。「そのためには業務の無駄をなくし、労働生産性を上げることが重要になります。私たちも少しずつですがITなどを活用した新たな仕組みづくりに取り組んでおり、山間部の現場における電話、データ通信環境の整備も解決すべき課題の1つでした」(井上氏)

対策

衛星通信サービスとクラウド型PBXサービスをセットで導入
衛星電話サービス並みの料金でデータ通信と電話が利用可能に

 課題を解決する手段を模索していた同社の目に留まったのは、低軌道衛星を利用したブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business別ウィンドウで開きます。」だった。「緊急時の電話には使えませんが、これなら山間部であってもメールなどが利用できるデータ通信環境が構築できるのではないかと思いました。しかし、Starlink Business別ウィンドウで開きます。を導入するためには特定のキャリアへの申し込みなどが必要になると聞いており、少々手間がかかるのではと感じていたのも事実です。そこで、日ごろからお付き合いのあったドコモショップ富山店とNTTドコモビジネスソリューションズに相談を持ちかけたところ、『導入できます』という話でしたので、今回の施策をお願いすることにしたのです」(井上氏)
 NTTドコモビジネスソリューションズ北陸支社の正保啓子は当時を次のように振り返る。「弊社でもStarlinkを活用した『Starlink Business別ウィンドウで開きます。』という衛星インターネットを活用したデータ通信のサービスを提供しています。しかし、データ通信だけではなく音声通話でも使いたいというご要望にお応えしたい気持ちがありました。そこで、クラウド型PBXサービス『Arcstar Smart PBX別ウィンドウで開きます。』を組み合わせれば実現できるかもしれないと思い、関係各所との社内調整を進めていきました。これまで前例のない挑戦でしたが、これなら大丈夫でないかという確信はありました」

 NTTドコモビジネスグループの「Starlink Business別ウィンドウで開きます。」は、高速・低遅延通信を実現した衛星インターネットサービスであり、数千基の低軌道衛星により、山間部や過疎地、海上を含む日本国内全域でデータ通信が利用できること最大の特長だ。一方、セットで提案された「Arcstar Smart PBX別ウィンドウで開きます。」は通信設備を持たずに内線電話が利用可能で、クラウドの強みを生かしたスピーディに導入できる特長を持っている。この2つのサービスを組み合わせることで、山間部での緊急連絡(電話)※1 とメール(データ通信)の課題が一驚に解決できる。

※1:050番号の外線サービスは、緊急通報(110番:警察機関、118番:海上保安機関、119番:消防機関)ができません。

衛星通信サービスとクラウド型PBXサービスをセットで導入
NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社 北陸支社 第一グループ 第五チーム 正保啓子
NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社
北陸支社 第一グループ 第五チーム 正保啓子

 「もともとデータ通信のみの利用を考えていたため、電話が使える追加提案はありがたかったですね。それならば一度使ってみようということになり、実際に現場で試してみたところ問題なく使えることがわかり、導入を決めました。利用料金を抑えられることも決め手の1つでした」と塚原氏が話すように、「Arcstar Smart PBX別ウィンドウで開きます。」と「Arcstar IP Voice」の料金に関しては衛星電話サービスと同等のコストで利用できることも高く評価された。

効果

従業員の安否確認などに電話を活用できる安心感が生まれ
電話やメールのフル活用により現場の業務効率も向上

 「Starlink Business別ウィンドウで開きます。」と「Arcstar Smart PBX別ウィンドウで開きます。」の連携で実現した新たなコミュニケーション基盤は、山間部の現場で想定以上の効果が見られているという。「やはり、データ通信に加えて電話が使えることが最大の効果です。幸いなことに、まだ緊急事態は起きていないのですが、常に連絡がとれる手段ができた安心感は大きいと思います。かねてから解決したい課題でしたので、助かっています」(井上氏)
 同社の板矢大生氏も、「データ通信がつながらないため、メールを確認したり、送信するために現場から車で山を下りたり、事務所に戻ったりすることがなくなりました。そういった非効率な業務がかなり減って、便利になりました」と、現場目線でも効果を実感している。
 さらに塚原氏も「今では現場事務所から役所などに電話をかけられますし、取引先にメールで生コンなどの発注もできますので、業務の効率は格段に上がっていると思います。現場への直行直帰ができるようになり、働き方改革にもつながっているのではないでしょうか」と続ける。
 加えて、ダムなどの現場へ作業に向かう際、事務所にスマートフォンを置いて留守番電話代わりに利用しているという。スマートフォンに着信履歴が残るため、連絡の取りこぼしがなくなったと効果も生まれているようだ。

株式会社神高 工務部 主任 板矢大生氏
株式会社神高
工務部 主任 板矢大生氏

 降雪などの影響で作業ができない冬場に、一時的にサービスの利用を停止できる運用の柔軟さも高く評価されている。「お客様から事前にご連絡をいただければ、現場の工事期間に応じてご契約できるようになっています。」(正保)

展望

山間部から市街地まで現場に最適なデータ通信環境を構築
ITを活用したDX推進でさらなる業務効率化、働き方改革へ

 山間部のダム建設現場などでは、昔から連絡手段の確保に苦心していたと井上氏は語る。「まだ携帯電話のなかったころは最寄りの町にあった公衆電話を利用していた時期もあれば、無線機を1人1台使っていた時期もありました。ようやく求めていた緊急時の連絡手段ができたと思っています。同じような課題を持つ同業者も多いので、機会を見て情報を共有しています」
 NTTドコモビジネスグループでも今回の施策で得た知見やノウハウを生かして、今後はStarlink Business別ウィンドウで開きます。の導入を検討する顧客に対してArcstar Smart PBX別ウィンドウで開きます。のセット提案に力を入れていく方針だ。
 ドコモショップ富山店の白﨑達也氏は、「神高さまのような山間部の現場の連絡手段としてはもちろん、都市部にあるオフィスの社内網のバックアップ回線としてもStarlink Business別ウィンドウで開きます。のニーズがあると見ています」と、捉えている。

 また、NTTドコモビジネスソリューションズ北陸支社の飯室和枝は「能登半島地震により、北陸の企業のお客さまはBCP対策の意識がほかの地域の企業より高いこともあり、そんなお客さまの事業継続に貢献できるようなソリューションを提案したいと思っています」と、今後を見据えた展望を語った。
 今後、神高ではITを活用したDXを推進することで、さらなる業務の効率化と働き方改革に取り組んでいく予定だという。「いまやインターネットをはじめとしたデータ通信がビジネスに不可欠な時代になっています。今回の施策で山間部の現場とつながる環境は整備できましたので、次の目標としては、より大容量のデータ通信を実現できる仕組みを構築したいと考えています。さらに市街地の現場でも通信環境の整備には工事の時間、契約の手間などが必要ですが、より早く、簡単に利用できる通信手段があれば、ぜひとも幅広いサービスをお持ちのNTTドコモビジネスグループに提案していただきたいと思っています」(井上氏)

ドコモショップ富山店 白﨑達也氏
ドコモショップ富山店
白﨑達也氏

NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社 北陸支社 第一グループ 第五チーム 担当課長 飯室和枝
NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社
北陸支社 第一グループ 第五チーム 担当課長 飯室和枝

株式会社神高 外観

株式会社神高

事業概要:
1956年(昭和31年)、山間奥地にある有峰地域の山林開発のために創業。道路・河川、都市造成、上下水道など、地域の安全およびライフラインを守るあらゆる工事を手がける
URL
https://www.k-sinko.co.jp

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