"クラウドを安全、かつ快適に使いたい"が叶う
業界の先陣を切って次世代リモートネットワーク基盤を構築導入の目的:業務効率化、セキュリティ対策、リモートワーク環境整備など
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株式会社ドコモビジネスソリューションズは全国のお客さまへ営業活動を行うNTTコミュニケーションズ株式会社のグループ会社です。
※1:オンプレミス
システム稼働やインフラ構築に必要なサーバーやハードウェア、ソフトウェアを自社で保有し、運用する形態。クラウドの対義語となる。
※2:FIC(フィック)
(Flexible InterConnect)NTT Comのサービス。インターネット上のクラウドサービスやデータセンターなどを外部からアクセスできない「閉域網」で相互に接続するサービス。
※3:アクプレFMA(アクセスプレミアム フレキシブルモバイルアクセス)
NTT Comのサービス。FICとの組み合わせで、社内ネットワークに閉域接続するだけでなく、クラウドサービスも安全に利用することができる。
課題
自金庫所有のネットワークの運用や
セキュリティ管理が大きな負担に
東京・立川に本店を置く多摩信用金庫は、2023年で創業90年を迎えた。帝国データバンクの2023年12月の調査では、多摩信用金庫をメインバンクとする多摩地域の企業は7064社(シェア25%)15年連続1位と、地元経済を力強く支えている。
これまでの多摩信用金庫では、業務システムを自金庫で保有・管理し、自前で構築する「オンプレミス(以下オンプレ)」型のネットワークの運用方針だった。このオンプレと比較されるのが「クラウド」。業務システムを自金庫で保有せず、インターネットを通じてサービスを利用できるので、オンプレよりもコストを抑えて運用でき、導入もしやすいメリットから、今では多くの企業で採用されている。
「既存のオンプレ型ファイアウォール(以下FW)※4の運用やセキュリティ管理などが年々負担となっており、次はクラウド型のセキュリティシステムの導入を考えていました。ちょうどその頃、金庫内でもネットワークのクラウド化の話が出ており、この機会に今後の業務改革につながるクラウド導入の環境をつくっておこうと考えました」とは、多摩信用金庫価値創造事業本部サービス向上事業部 副部長 ・川田今日祐氏。
※4:ファイアウォール
インターネットと内部ネットワークの間に立ち、外部からの不正なアクセスや攻撃を防ぐために重要度の高いセキュリティツール。
しかし、クラウド型のFWを扱うメーカーがなかなか見つからなかった。そこで白羽の矢がたったのが、NTT Comとドコモビジネスソリューションズの両社(以下、ドコモビジネス)だ。同事業部IT戦略グループ調査役の長坂恵一氏が、導入を考えていた2023年夏を振り返る。「もともと営業担当が使っていたタブレット端末のSIMカードはドコモビジネスさんの品質がいちばんよいと評判でした。そんな信頼感と、わたしたちのクラウド化におけるニーズにマッチしたのがドコモビジネスさんのサービスでした。『提案をお願いしてもいいですか?』と、こちらから声をかけたのが今回の商談のきっかけでした」
対策
閉域網でセキュアにクラウドにつなぐ、
信用金庫業界初導入の『アクプレFMA』
今回の事案を担当したのが、ドコモビジネスソリューションズ多摩支店の河井雅明と長尾毅之だ。「お互い2024年2月より担当となった約半年間で、川田副部長から金庫内の事案メンバーをご紹介いただくなど、日頃から大変お世話になっていました」(河井)。前任者から引き継いだ課題を精査しながら、同支店のセールスエンジニアと連携して新規ネットワーク導入を進めていった。それが「Flexible InterConnect(通称・FIC)」+「アクセスプレミアム フレキシブルモバイルアクセス(通称・アクプレFMA)」の2つを合わせたサービス。FICはインターネット上のクラウドサービスやデータセンターなどを、外部からアクセスできない閉域網で相互に接続できる。アクプレFMAを組み合わせることで、端末から金庫ネットワークに閉域接続して金庫内の業務システムを利用できると同時に、クラウドサービスも安全に利用することが可能となる。
川田氏は今回のサービスを選んだ理由をこう語る。「セキュリティに優れた閉域網で安全にクラウドにつながることに魅力を感じました。『Amazon Web Services™(AWS)』『Microsoft Azure™(アジュール)』などのパブリッククラウドサービスも利用できますから、業務の広がりを期待できます」。長坂氏も、「『クラウドを安全に使いたい』『端末のSIM通信とクラウドの両方が使える』『回線を増やさずコストをかけない』という要望がすべてカバーできました」と話す。
効果
導入前の丁寧なサポートで
新基盤への移行がスムーズに実現
この新しいネットワークが全店で運用されるのは2024年末になる。「実際の効果が分かるのはまだ先ですが、現時点では構築作業を進めており、導入はスムーズで、費用対効果にも優れていて、非常に満足しています」と川田氏は話す。「すでに使い心地を体験している本部のメンバーからは、これまでは外に持ち出せる情報が限られていましたが、出先でも支店内のパソコンと同じようにタブレット端末が使えて仕事の幅が広がったという声を聴いています」(長坂氏)と、リモートワーク環境の向上にもつながった。
さらに長坂氏自身にもうれしい効果が。「コストダウンを考えてネットワークの基本設定は、詳しい先輩とともに自前で行いました。分からないことがあれば、ドコモビジネスのエンジニアの方が遠隔作業でパソコンの画面を使って説明してくれたり、来訪してくれたりと柔軟に対応してくれました。おかげさまで、自分自身も知識がずいぶん深まりました」(長坂氏)。川田氏も「基本的な設定を自分たちでも操作できるというネットワーク基盤ができているのは、さすがドコモビジネスさんと感心しました。AWSの開設も日本人向けに分かりやすく構成されており、私の知るところでは、日本の企業でここまで丁寧にやってくれているところはほとんどないと思います」と話す。多摩信用金庫の新ネットワークは、オンプレからクラウドの変換によるセキュリティ機器運用負担の軽減をはじめ、外部のインターネットを介さないセキュアなクラウド接続や、さまざまなクラウドサービス利用が実現した。
「生成AI、データ分析といった一歩進んだ課題解決活動が可能となる環境の準備もできたので、これからの業務効率化にどうつながっていくのか楽しみです」(川田氏)
展望
ワークスタイルの変革と
将来のデータ活用を用いた課題解決も視野に
さらにもう一つ、新しく導入したのがNTT Comのサービス「Arcstar Universal One(通称UNO)」。閉域網を利用して社外でも安全に社内と同様の業務が可能となり、在宅勤務などのリモートワークが安全かつ快適になる。
「テレワークや直行直帰など、もっと働きやすい環境になっていくと思います。いずれはパソコン上で朝礼ができるようになったら便利ですね」と川田氏。こうしたワークスタイルの変革をはじめ、クラウド化による生成AIやデータ分析などを活用した課題解決にも将来的につなげていけたらと話す。
「FIC」+「アクプレFMA」は2024年暮れの本格導入から実績を作っていくことになる。新しいネットワークを現場でどう活かしていくのか、本当の意味での活用を模索したいと、河井と長尾は2024年夏から、多摩信用金庫の6店舗で行われている渉外※5担当者による顧客向けのITの勉強会を訪ねている。「渉外ご担当者さまがいちばん使いやすい環境は何か、エンドユーザーに響く機能は何かなど、現場の声を直接聴いて、“肌感覚”で今後の提案や改善につなげていきたいと思っています」(河井)
※5:渉外
一般企業の営業職にあたる。
川田氏はドコモビジネスにこう期待する。「多摩信用金庫ではお客さまの情報を守ることが非常に大切なので、システムの選定はとても慎重にすすめる必要があります。だからこそネットワークの専門家であるドコモビジネスさんが『安全』のお墨付きのある提案で、わたしたちの“今”にあわせたベストな選択ができるようサポートをお願いしたいと思っています。」
ベストな選択は多摩信用金庫の経営理念である「お客さまの幸せづくり」につながる。ドコモビジネスはこれからも多摩信用金庫の皆さまと伴走し、地域の豊かな発展に貢献していく。
多摩信用金庫
- 組織概要:
- 1933(昭和8)年、有限責任立川信用組合として設立。多摩地域のほか、神奈川県相模原市をエリアとして約80の店舗を持ち、全国の信用金庫で総預金量がトップクラスの規模を誇る大手信用金庫。2023年には旧本店ビルをリニューアルし、「TAMA MIRAI SQUARE(タマミライスクエア)」を開業。起業支援や地域交流の拠点としての役割を果たしている。
- URL:
- https://www.tamashin.jp