重要な顧客接点となる電話窓口をナビダイヤルで一本化
不動産DXにより業務効率化と顧客体験向上を実現
導入の目的:CX向上、業務効率化、BCP対策など
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NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社は全国のお客さまへ営業活動を行うNTTドコモビジネス株式会社のグループ会社です。
※2025年7月、社名変更により、ドコモビジネスソリューションズはNTTドコモビジネスソリューションズに、NTTコミュニケーションズはNTTドコモビジネスになりました。
課題
「リモートで契約が成立する」洗練された不動産DXの裏で
「つながるところにつながらない」電話の刷新が喫緊の課題に
株式会社RFG不動産は、2005年の設立以来、福岡県福岡市を本社に、北九州、佐賀・久留米・熊本、鹿児島などの6支店(2025年9月30日時点)と連携した事業を展開。九州でさまざまな事業を手がける「地域みらいグループ」の一員として、不動産コンサルティングや賃貸管理運営、ビル管理などのトータルサポートを行っている。昨今の九州における不動産市場は、活況を呈しているという。
「繁忙期はなくなり、もはや年中が繁忙期です。日々、物件の問い合わせが殺到しています」と語るのは常務取締役の上野辰美氏だ。
同社の顧客向けサービスは、デジタル化が徹底されている。たとえば、24時間リアルタイムで空室確認ができるポータルサイトや写真で物件を確認できるリモート内見、スマートキーによる鍵の受け渡し不要の入居手続きなどだ。「東京や大阪などの遠方から転勤される方で、1度も事務所を訪れることなく物件を決め、郵送で契約書を交わし、そのまま入居されるお客さまもいらっしゃいます」(上野氏)
事務管理部 事務統括部長 篠原俊彦氏
管理業務部 管理統括部長 陣内省吾氏
常務取締役 上野辰美氏
しかし、このような先進的なフロント業務とは裏腹に、顧客窓口となるバックエンドの電話環境は本社・各支店で個別に応対を行う旧態依然としたものだった。物件の売買については本社に集約されているものの、賃貸のお問い合わせやクレームは各支店が担当していた。「業務の異なる複数の部署が入っている本社では、かかってきた電話を内線で取り次ぐ、不在の担当者に折り返しを依頼するといった煩雑な業務が生じていました。さらに、ポータルサイトで公開している空室の確認や支店が担当するクレームなどが本社にかかってくることもあり、電話の応対で本来の業務が停止してしまうという悩ましい事態でした。このような電話窓口の交通整理が喫緊の課題でした」と、部長の篠原俊彦氏は当時を振り返る。
また、賃貸を管理する支店の電話にも課題があった。「日々、支店にも多くの電話がかかってきます。特に多かったのが『水が出ない』『エアコンが効かない』といった入居者さまからのトラブルの電話です。従来はいったん電話をこちらで受けて、要件に応じて関係各所に手配していましたが、立て続けに電話がかかってくることがあり、本来の業務に手を付けられない状況を打開したいという思いがありました」と、物件の管理業務を統括する陣内省吾氏は当時の状況を明かす。
こうした「つながるところにつながらない」「ひっきりなしにかかってくる」という電話に関する課題が積み重なり、事務職の社員からは「仕事にならない」という不満の声が上がっていた。一方、電話をかける側でも、待たされたり、何度か取り次がれたりするようでは、顧客満足度の低下や機会損失にもつながりかねない。一刻も早くこの状況を打破するために、同社では電話環境の刷新を決断する。
対策
伴走型支援で複雑なコールフローをサポート
わずか3カ月でのスピード導入を実現
電話環境の刷新にあたり、同社では電話の窓口を一本化してIVR(自動音声応答)で最適な関係各所に振り分ける構想を描いていた。いくつかのパートナー候補を比較検討する中、最終的な決め手となったのは相談を持ちかけた地域未来グループのシステム担当者からの紹介だった。
「グループとの確かな取引実績があることに加え、我々もフリーダイヤルの利用実績があったことで、NTTドコモビジネスソリューションズには安心感がありました。ご提案を受けたサービスはナビダイヤルです。ちょうど導入キャンペーンのタイミングだったこともあり、大幅にコストを抑えて導入できることも魅力でした」(篠原氏)
ナビダイヤルは、全国共通の「0570」に続く6桁の専用番号を利用して、予め指定した電話番号に接続するサービスだ。
九州支社 ソリューション営業部門 第一グループ
主査 原田裕介
時間帯や用件に応じてIVRでコールの振り分けを行うことで、「つながるところにきちんとつながる」ようになり、取り次ぎなどの電話応対を軽減できるメリットがある。しかし、不動産業界特有の複雑な問い合わせパターンを整理し、最適なコールフローを設計することは容易ではなかった。
この課題を解決するため、同社では担当者が一堂に会し、すべての問い合わせパターンを洗い出した。「想定されるすべてのパターンを用意しておいたのですが、まずNTTドコモビジネスソリューションズにぶつけて、できることとできないことを切り分けました。その上で我々の事業に最適なコールフローを組み上げていきました。稼働までの期間が短く、正直、間に合うのかという不安はありましたね」(篠原氏)
同社をサポートしたのが、NTTドコモビジネスソリューションズの伴走型支援だった。「我々が一緒にコールフローの設計会議に参加し、豊富なコールフロー設計実績を持つナビダイヤルの技術担当とオンラインでつないで内容を確認・検証しながら進めていきました。もちろん、納期に間に合わせることも重視しました」とNTTドコモビジネスソリューションズの原田裕介は語る。
最終的なコールフローは、まずエリアで振り分け、その後、用件別に分岐させる2段階設計となった。導入プロジェクトは、話し合いから番号切り替えまでわずか3カ月というスピードで完了。切り替えは一斉に行われた。「切り替えの日を決め、現場の掲示板や入居者や契約者へのご案内を投函し、ホームページで告知を行いました。お客さまの目的に応じて最適な窓口につなぐ電話を念頭に導入していますので、段階的な切り替えではなく、すべての電話を一斉に切り替えたのです」(篠原氏)
効果
空室確認も入居者トラブルも自動振り分け
顧客満足度が向上し本来業務に集中できる環境に
ナビダイヤル導入後、同社の電話応対業務にはさまざまな効果が生まれている。まず空室確認の電話がほぼ皆無になったことだ。
「仲介業者さんやお客さまからの空室確認の電話については、ガイダンスで『別サイトで空室確認をお願いします』という案内を流すようにしています。これにより空室確認の電話を受ける稼働がなくなり、社員の負担はかなり減らせていると思います」(上野氏)
続いて、入居者からの物件トラブルの電話も専門窓口に直接誘導できるようになった。「ナビダイヤルのガイダンスで、入居者さまからの物件トラブルの電話を最適な窓口に誘導できる仕組みができました。これまで本社や担当外の支店にかかってきていた電話が減った体感は確かにあります。また、時間外の電話もガイダンスで応対できるようになり、入居者さまのストレスも軽減されていると思います」(陣内氏)
さらに、ナビダイヤルのオプション機能「ウィスパー」も効果を発揮している。これは電話をかけてきた顧客の発信地域や用件などについて、電話をつなぐ前に着信側へガイダンスで知らせる機能だ。「どんな用件でかけてこられたのかが事前に把握できるため、どこにつなぐかを想像して電話に出ることができます。電話を受ける側の心の準備ができるため、余裕をもった応対ができるようになっています。
ナビダイヤルによって、電話の交通整理ができ、最適な窓口に案内できるようになったことが最大の成果です。保留でお待たせすることや、たらい回しでご迷惑をおかけすることがなくなり、お客さまの満足度も上がっていると思います」(篠原氏)
展望
コールフロー改善と社用スマホ連携で
不動産DXのさらなる加速へ
ナビダイヤル導入から1年が経過し、同社ではさらなる顧客満足度の向上や業務の効率化に向けて現行のコールフロー改善に取り組んでいる。「いろいろなケースを想定したコールフロー設計になっているため、やや階層が深いというのが課題です。ナビダイヤル
をうまく使いこなすために、NTTドコモビジネスソリューションズの支援のもと、もっとスマートにブラッシュアップしたい思いはあります」(陣内氏)
中期的には、電話環境のバージョンアップも視野に入れている。「いまのナビダイヤルの仕組みをベースにして、今後はナビダイヤル
で受けた電話を外出先の営業担当が持つスマホに転送できるようにしたいと考えています。これにより折り返しの手間がなくなり、もっと業務が効率化できるはずです」(上野氏)
同社の成功事例はグループ内にも広がっている。「保育事業を展開するグループ会社でも、私たちに続いて導入が進んでいます」(篠原氏)。この保育園での導入は、ナビダイヤルの新たな可能性を示す事例となっている。
「園に迷惑電話が多いという課題を受けて、その対策としてナビダイヤルをご導入いただきました。保護者さまには各園のボタン番号を紙で配り、迷惑電話をシャットダウンしています。こういったガイダンスの使い方もあるのかと、我々も気づきが得られました」(原田)
NTTドコモビジネスソリューションズでは、今回のナビダイヤル導入で得た知見を生かし、全国の支店と連携した水平展開を計画中だという。「不動産業界には同じような悩みを抱えるお客さまが多いため、積極的に取り組んでいきたいと考えています。もちろん、ご要望があれば、さまざまな事業を展開される地域未来グループさまの業務を改善するご提案も並行して進めていく予定です」(原田)
最後に上野氏は、今後のDX推進について次のように語った。「いまやインターネットをはじめとしたITがビジネスに不可欠な時代になっています。今回の施策で課題だった電話環境は整備できましたので、引き続き、顧客満足度の向上や業務の効率化、働き方改革の推進に向けた不動産DXの取り組みを進めていきたいと考えています」
株式会社RFG不動産
- 事業概要:
- 福岡県福岡市を拠点に、売買・賃貸の仲介業務、オフィスビル・賃貸住宅・月極駐車場の管理業務、不動産のコンサルティング業務を九州一円で展開している。
- URL
- https://www.rfg-f.co.jp
- 取材日:2025年12月4日