導入事例

ロゴ:群馬県立がんセンター

院内PHSをスマートフォンに置き換え電話環境を刷新
患者の利便性向上と業務効率化、医療の安全性向上を図る
導入の目的:医療DX、IoT

群馬県立がんセンター 左からNTTドコモビジネスソリューションズ株式会社 佐久間乾史、白石実ツ葉、群馬県立がんセンター 堀越浩幸氏、内田有美子氏、岡部栄美子氏、木戸寛味氏
課題
  • ●PHSの旧規格(旧スプリアス規格)の使用期限が迫っていた
  • ●PHSではドクターなどとの連絡が取れにくいケースがあった
  • ●看護部において電子カルテを利用する際に課題があった
対策
  • ●PHSの代替として、iPhone SEを350台導入
  • ●「オフィスリンク®別ウィンドウで開きます。」を導入し内線電話環境を刷新
効果
  • ●スマートフォンの導入により、連絡が取りやすい環境に
  • ●アドレス帳でシフトに応じた柔軟な連絡が可能に
  • ●スマートフォン上で、メッセージ対応や出欠確認などの運用も可能に​
展望
  • ●スマートフォンの特長を生かし画像の活用を図っていきたい
  • ●将来的には院外にも利用範囲を拡大していきたい
  • ●近い将来、ベッドサイドでの電子カルテ入力も実現したい

NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社は全国のお客さまへ営業活動を行うNTTドコモビジネス株式会社のグループ会社です。

※2025年7月、社名変更により、ドコモビジネスソリューションズはNTTドコモビジネスソリューションズに、NTTコミュニケーションズはNTTドコモビジネスになりました。

課題

PHSの更新時期を迎え、より利便性の高い代替ソリューションを探していた

 群馬県立がんセンターは、PHSの旧規格(旧スプリアス規格)の使用期限を目前に控え、電話設備の刷新へ踏み切った。当時の課題について、同センターで医療局長と放射線診断部長を務める傍ら、システム委員長として病院内のシステム管理を担う堀越浩幸氏に伺った。
 「本院は比較的PHSの導入が早く、20年以上前から利用していました。固定電話と比較すると、PHSは音声通話だけではなくテキストの送信などもできるため、利便性が高いものの、スマートフォンを使い慣れていると不便を感じることも多々ありました。ちょうどPHSの旧規格の使用期限が迫っていたことと、令和3年に『2023年までに「日本最先端クラスのデジタル県」となることを目指す』という群馬県庁DXアクションプランが策定されたこともあり、時期的には最適かと思い、切り替えを決断しました」(堀越氏)
 実際に業務を遂行する上でも、さまざまな課題が生じていたと言う。同院で看護師長を務め、今回のスマートフォン導入にあたってはワーキンググループの看護部代表を担当した木戸寛味氏はこう語る。

群馬県立がんセンター 医局医療局長(放射線診断部長) 堀越浩幸氏
群馬県立がんセンター
医局医療局長(放射線診断部長)
堀越浩幸氏
群馬県立がんセンター ICU看護師長 木戸寛味氏
群馬県立がんセンター
ICU看護師長
木戸寛味氏

 「PHSは相手が話し中だと着信履歴が残りません。そのため、連絡を取るにはひたすらかけ続けるしかなく、かなり時間を取られることもありました。また常に紙ベースの電話帳を持ち歩き、それを調べながら電話をかけることに負担も感じていました」(木戸氏)
 さらに、電子カルテの利用にも課題があったという。
 「看護師の業務には、電子カルテがないと進まない業務が結構あります。例えば注射の認証をする場合には、患者さんの枕元までノートPCが乗ったカートを押していき、患者の手元に付けてあるネームバンドのバーコードを読み取り、その後に点滴のバーコードを読み取らなければならない。日勤帯は勤務者が多く、1人1台のノートPCを確保できないこともあるため、不便を感じていました」(木戸氏)

対策

iPhone SE 350台と「オフィスリンク®」を導入

 そういった課題を解決すべく、入札を経てNTTドコモビジネスソリューションズのシステムが選定された。その経緯について、NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社 群馬支店の白石実ツ葉に聞いた。
 「群馬支店では、2022年に群馬県下の病院さまのDXを推進する『医療PT』を立ち上げ、ソリューションやモバイル端末のご紹介を行ってきました。そうした活動を本社のメディカルチームとも連携して進める中で、群馬県立がんセンターさまを紹介されました。課題やご要望などを継続的にお話しさせていただく中で、今回の入札に参加することができました」(白石)
 入札の結果、NTTドコモビジネスソリューションズは、PHSの代替としてiPhone SE(第三世代)350台に加え、スマートフォンを内線として利用できるサービスである「オフィスリンク®別ウィンドウで開きます。」などを受注することができた。その決め手は何だったのか。同群馬支店の佐久間乾史に聞いた。

NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社 ソリューション営業部 群馬支店 第一グループ 第一チーム 佐久間乾史
NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社
ソリューション営業部 群馬支店 第一グループ 第一チーム
佐久間乾史
NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社 ソリューション営業部 群馬支店 第一グループ 第五チーム 白石実ツ葉
NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社
ソリューション営業部 群馬支店 第一グループ 第五チーム
白石実ツ葉

 「我々NTTドコモビジネスソリューションズ強みとして、47都道府県すべてに支店を持っていることが挙げられます。同じドコモグループであるドコモCSの支店には災害用の移動基地局車を備えており、仮に基地局が使えなくなった際にも迅速に対応し電波の中継を継続することができます。また、必要であれば群馬支店だけでなく、近隣からも応援が駆けつける態勢を整えています。こうした万一の非常事態に対する担保を用意している点が、病院さまの運営にもお役に立つと評価されたのではないかと思っております」(佐久間)
 病院には、24時間365日機能し続けるという責務がある。要求仕様書には「緊急時に概ね1時間程度で当院に到着できる」などの文言があり、その点は、47都道府県に支店を持つNTTドコモビジネスソリューションズにとって提案の追い風となったという。

効果

スマートフォンの導入で患者対応の品質が向上

 電話環境を刷新した後の効果について、堀越氏にお聞きした。
 「運用を開始してから半年ほどたったところで、とりあえず今は移行期として、音声コミュニケーションを中心としてiPhoneを利用していますが、やはりドクターを捉まえやすくなったという点は大きいのではないでしょうか。当院は300床以上を運営しておりますが、ドクターの数が十分足りているわけではありません。例えば電子カルテに急ぎのオーダーを入力する際には、一応一言電話してもらうという運用をしているのですが、PHSではメッセージを残すことができませんでした。現在はスマホに医療従事者用のアドレス帳のアプリケーションを入れてありますから、メッセージを残すことができますし、証拠も残ります。ドクターがすぐに捉まるかどうかは、すぐに治療ができるかどうかといった患者サービスに直結しますから、それだけでも大きなメリットと言えます」(堀越氏)
 医療従事者用のアドレスアプリケーションでは氏名に加え、「リーダー」や「代行」といった単語でも検索ができるため、シフトによって変わるリーダーや師長不在時の代行者に連絡を取る際には便利だと言う。また、ログイン情報により勤務中かどうかを把握することもできるため、当直メンバーを知る際にも重宝するそうだ。
 加えて、医療安全上も効果があったと、医療安全管理室で医療安全管理者を務める岡部栄美子氏は指摘する。
 「医療安全では、『画像に残す』ということが非常に重要になります。例えばエラー現場の確認で、後から事情を聞いても記憶だよりで原因を探るのでは不安です。しかも、現場に駆けつけるときにスタッフがカメラを携帯しているとは限りません。そういう点では、パッと撮影できて現場の状況を確実に残しておくことのできるスマホは非常に便利だと思います。また、通話中でも履歴が残る機能やメールを一斉送信できる機能も連絡を取る上では非常に便利だと感じています」(岡部氏)

群馬県立がんセンター 医療安全管理室補佐(看護師長)ゼネラルリスクマネジャー 岡部栄美子氏
群馬県立がんセンター
医療安全管理室補佐(看護師長)ゼネラルリスクマネジャー
岡部栄美子氏

 さらに、電子カルテとスマートフォンとの連携も検証しているそうだ。
 「私のスマホには先行して電子カルテの閲覧アプリケーションを入れていただいていますので、医師から患者さま情報を聞かれた時にもすぐに電子カルテを開くことができます。情報がスピーディに取得できるようになるため、業務の効率化が図られていくと感じています」(岡部氏)

展望

将来的には画像データの閲覧、院外活動などにも活用したい

 最後に、今後の活用について堀越氏にお聞きした。
「がん診療は、画像が非常に重要です。実は私はずっとPACS※を担当しており、20年以上データを蓄積しています。しかし、現在スマホから検査データや患者さまの情報を見ることはできますが、画像データを見ることはできません。今後、Webビューアのようなものを活用して、画像データを見られる仕組みを構築できないか検討しているところです。実現すれば緊急時のCT検査の画像なども閲覧できるようになり、非常に便利になるのではないでしょうか」(堀越氏)
 また、将来的には院外での活用も検討しているそうだ。
 「現在はスマホをイントラネットで運用していますが、当院には外勤の先生や救急の先生もいらっしゃいますから、院外での運用も考えています。医療の世界では、電子カルテを2重認証とすることが求められるなど、日々セキュリティに関する要求が高まりつつあります。セキュリティ面を考慮すると、生体認証機能などが標準で搭載されていて、ある程度のセキュリティが確保されているスマホはこうした用途にも適しているのではないでしょうか」(堀越氏)
 看護部の業務においても効率化が見込めると、木戸氏と同じく、看護部代表としてスマートフォンのワーキンググループに属する内田有美子氏は期待する。
「実は看護師の業務は、例えば電子カルテ用のノートPCを取りに行ったりするなど、移動がとても多く、それが全体の業務を圧迫しています。今回検証のため、電子カルテを閲覧するアプリケーションを使用してみたのですが、ベッドサイドでさまざまな作業や確認ができ、かなり業務を効率化できるのではと感じました。現在は電子カルテの閲覧履歴を残すシステムがないため実用化はまだ先の話ですが、実運用が開始されれば、電子カルテへの入力やスケジュールの確認なども効率化できるのではないかと期待しています」(内田氏)

群馬県立がんセンター 職員のみなさま
群馬県立がんセンター 看護部長室副看護部長 内田有美子氏
群馬県立がんセンター
看護部長室副看護部長
内田有美子氏

 NTTドコモビジネスソリューションズのメンバーも、今回のケースを水平展開できるのではと期待を寄せる。
 「群馬県下の病院さまを回らせていただいている中で、群馬県立がんセンターさまのような病床数の多い病院さまでは比較的DX化の進展が早いのですが、病床数の少ない病院さまでは、ほかの病院さまの事例を参考にしたい、iOSのスマートフォンとAndroidのスマートフォンそれぞれの導入事例を知りたい、などのお声をよくいただきます。地域のDX化を進めるというのが我々の使命ですので、今回のケースが良いモデルケースとなり、水平展開していけるのではないかと期待しています」(白石)
 「今回の導入事例はチャレンジングな内容で早期の取り組みであることもあり、お話しさせていただく中で我々としても学ばせていただく面が多々ありました。県内の他の県立病院さま、医療法人さまに提案する際の参考として活用させていただきたいと思っています」(佐久間)
 先進的な取り組みとなった今回の電話環境の刷新は、群馬県立がんセンターにとっても、NTTドコモビジネスソリューションズにとっても得るものが大きく、今後も2人3脚でのDX推進が期待できそうだ。

※Picture Archiving and Communication System、医療用画像管理システム

群馬県立がんセンター 外観

群馬県立がんセンター

事業概要:
1955年、群馬県南部の太田市内に群馬県立東毛療養所として発足。その後改称を経て、群馬県のがん対策の中心的役割を果たす専門病院となる。現在は314床の一般病床に加え、緩和ケア病床など複数の病床を有し、高度な放射線治療やダヴィンチ・ロボット手術、化学療法、緩和ケアなど包括的ながん診療を提供している。地域医療機関との連携も重視しており、群馬県内に留まらず埼玉県北部、栃木県南部にお住まいの方々にも医療を提供している。
URL
https://www.gunma-cc.jp/

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