保育業務の効率化とサービス品質向上で
高萩市の未来を担う子どもたちを育てる
導入の目的:保育サービスの品質向上、業務効率化など

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株式会社ドコモビジネスソリューションズは全国のお客さまへ営業活動を行うNTTコミュニケーションズ株式会社のグループ会社です。
課題
保育教諭の負担軽減、サービスの品質向上を目指し
ICT活用により紙ベースの業務から脱却を図る
海と山に恵まれた自然景観、歴史を感じられる町並みが魅力の茨城県高萩市は、住民一人ひとりが豊かさを実感できる「市民主役のまちづくり」を推進。地域力で笑顔を育むまちを目指している。取り組みの一環として、安心して子どもを産み育てられるまちづくりに向けた子育て支援事業「はぎハピ」を軸として、ベビーファースト運動に参画し、さまざまな施策を展開している。その柱の1つとなるのが、幼稚園と保育所を統合した「たかはぎ認定こども園」だ。2022年、同園は高萩の未来を担う子どもたちの集う学び舎となる「大きな家」をコンセプトに、運営をスタートしている。また、高萩市では、ICTを活用して業務の負担軽減を図っていくため、たかはぎ認定こども園の設立に合わせて、すでにICT施策の予算化を検討していたという。
「保育を取り巻く状況が注目されつつある昨今、保育業界を巡る環境も複雑多岐にわたるようになり、保育教諭に求められる負担も増加の一方をたどる現状があります。そればかりではなく、サービスの品質向上も求められるようになってきています。それらの課題を解決するためにも、これまで手書きでの事務作業や紙媒体での保護者とのやり取りを改め、デジタルツールを使用しての業務の負担軽減を図っていく必要があると考えました」と予算化の背景について、高萩市子育て支援課長の城戸圭介氏からコメントをいただいた。

副園長 丹千鶴氏

園長 岡部晃美氏
幼稚園と保育所という文化の異なる施設が一体になったこども園の運営には、一般的に大きな業務負担が求められる。「開園から1年は、日々の運営業務を回すことでてんやわんやでしたね。市役所からICT化の話は聞いていたものの、正直そこまで手が回らない状況だったのです。一方でほとんどの業務が紙ベースで回っており、もっと効率化できる方法がないものかと感じていました。ちょうど園の作業を担う担当者がいなくなり、この先さらなる業務負担が増えることは明らかでした」と、たかはぎ認定こども園園長の岡部晃美氏は当時を振り返る。
さらに副園長の丹千鶴氏も「従来は電話とメールで欠席連絡を受け付けていましたが、連絡はほぼ電話でした。毎朝、7時半から2回線の電話が鳴りっぱなしで、メモを片手に職員が慌ただしく対応していました。私はシフト管理を担当していまして、保育教諭の要望を踏まえたシフト表を組み上げる業務も大変でした。当園も2年目に突入し、ようやく運営にも慣れてきたところだったため、このような現場の課題をICT化で解決する取り組みをスタートしたのです」と続ける。
対策
先行事例の視察を経て「ルクミー」の導入を決断
ICTの総合力を評価して導入パートナーを選定
高萩市が同園のICT化を決断する背景には、付近にある私立保育園がICT活用で業務効率化を図っているという先行事例があった。そうした背景を踏まえて検討を重ね、導入することにしたのが、保育ICT・研修サービス「ルクミー」だった。スマートフォンやタブレットPCなどで利用できるルクミー
は、幼稚園・保育所・こども園のさまざまな課題を解決するために、「保育現場の業務負担軽減」「保育の質&保護者コミュニケーション支援」「園や施設の運営支援」といった多様な機能を提供している。さらに保育AI™として、連絡帳などの文章作成を支援する「たよれるくん」、保護者に共有される写真に子どもたちが偏りなく撮影されているかのチェックを支援する「ばらつきチェック」、写真・連絡帳・帳票などのデータから子どもの成長を自動的にまとめる「すくすくレポート™」などの利用も可能になっている。
「まずはオンライン会議やチャットなどで、近隣の私立保育園のヒアリングを行いました。さらにルクミーで最先端の取り組みを進める山形の保育園を訪問し、現場の保育教諭たちがスムーズに業務を進めている様子も目にしました。印象的だったのは、子どもたちの自然な表情の写真を活用した見やすく、わかりやすいドキュメントです。さらに、シフト管理についても丁寧に教えていただきました。ルクミーならさまざまな課題が解決でき、保育の見える化によるサービス品質の向上も期待できると考えたのです」(丹氏)
こうして、同園ではルクミーの導入に向けてパートナー選定を開始する。その結果、選ばれたパートナーはドコモビジネスソリューションズだった。「ルクミー
の活用に必要なインターネットやWi-Fi環境、スマホやタブレットなどの端末までを一括導入していただける総合力を評価しました。しかも、結果的に私たちの課題を共有し、迅速かつ的確に対応していただけたので、導入までの流れも非常にスムーズでしたね」(岡部氏)
効果
ペーパーレス化を推進、AI活用による業務効率化も可能
保育の見える化によるサービス品質の向上も実現
現場にルクミーが一斉導入されたことで、業務の効率化やサービス品質の向上といった当初の課題をクリアするようなさまざまな効果が生まれている。「やはりペーパーレス化の効果は大きいですね。従来は各保育教諭が紙に米粒のように小さい文字を書いて提出していた保育日誌が、いまではフリック入力や音声入力で簡単に作成できます。さらに日誌に写真を添付することもできて、若手の保育教諭が行っているのを、ベテランの保育教諭が参考にするケースも多いようです。しかも日誌がデータとして一括管理できるため、現在の保育状況や困っていることが一目でわかり、的確なアドバイスができるようになっています」(岡部氏)
ルクミーを通して連絡ができるようになったため、毎朝の欠席連絡の電話も激減した。「全職員がお休みの園児を共有できるようになっています。たとえば、1つのクラスで複数の欠席者が出た場合には感染症が疑われる場合がありますが、そういったときの対応も迅速にできるようになりました。もちろん、AIの支援により、だいぶスムーズになっています。また、想定外の効果として保護者アンケートの回答率が、紙の時代の40%から90%超になり、園に対する評価も向上しています。おそらく、保育の見える化によるサービス品質の向上を保護者の方々も感じているのでしょう」(丹氏)

保護者からの使い勝手も好評だ。「保護者の方々の評判は、かなりいいのではないでしょうか。説明書などを読まなくても、感覚的に操作できる点も評価されていると思います。これまでルクミーの使い方に関する問い合わせはゼロです。逆に保育教諭が保護者から便利な使い方を教わることもあるようです」(岡部氏)
NTTコミュニケーションズ5G&IoT部の廣瀬花鈴は、「ルクミーを導入する際の課題は自治体さまによってさまざまです。なぜなら、高萩市さまのような1拠点のケースもあれば、数十拠点で利用したい自治体さまもあり、お悩みが変わってくるためです。そのため、私たちは導入前のヒアリングを大事にしています。お客さま個別の課題を明確化して、解決に向けて通信や端末を含めた最適なかつトータルな提案を行います。今回のケースでもそれが功を奏したと考えています」と、今回の取り組みを総括する。

プラットフォームサービス本部
5G&IoTサービス部 5Gサービス部門
第六グループ 第五チーム 廣瀬花鈴
展望
ドコモビジネスの手厚い伴走型サポートのもとで
保育サービスの品質を高める次の挑戦へ
ICTを活用した保育サービスの品質向上に向け、第一歩を踏み出した高萩市。今後もより一層ドコモビジネスへの期待を寄せる。
「保育AI™などの先進機能を実装しているルクミーの使い勝手もさることながら、ドコモビジネスの伴走型サポートの力が大きいと感じています。ここまで園内で広く使われるようになり、しかも、新たな機能の導入が進んでいるのも、いつも私たちが困ったときに寄り添い、一緒に考え、汗を流し、的確な対応をしていただけたおかげです。これからも、引き続き手厚いサポートに期待しています」(岡部氏)
また、現在たかはぎ認定こども園では、ルクミーを軸にした新たな取り組みに挑戦している。「送迎バス位置情報お知らせGPSサービス『ルクミーバス位置情報』は、既に導入済みです。また、お昼寝の際、子どもの身体の向きや寝返りをセンサーで感知して自動記録するアプリ『ルクミー午睡チェック』の導入も進めています。」(丹氏)

高萩市立 たかはぎ認定こども園
- 事業概要:
- 2022年、高萩の未来を担う子どもたちの集う学び舎となる「大きな家」をコンセプトに運営をスタート。地域密着型の良質な幼児教育・保育環境を提供している。
- URL
- https://www.city.takahagi.ibaraki.jp/hagihapi/hoikuen_kodomoen/info/page006081.html