PROJECT STORY

PROJECT
STORY

Project 04水道・ガスメーターDX

愛知から始まる、
日本全国のライフラインのDX

水道・ガスに便利と安心をもたらす「スマートメーター」

人々が生活を送る上でもっとも重要なライフラインに挙げられる、水道やガス。それらの使用量を確認するための検針業務は、労働力不足等の課題を背景にデジタル化が進められています。ガスメーターや水道メーターの製造元として国内トップシェアを誇る愛知時計電機は、このデジタル化を加速させるためのパートナーとして、私たちドコモビジネスソリューションズを選びました。この一大プロジェクトに挑んだのが、東海支社 ソリューション営業部門のメンバーでした。

PROJECT MEMBERS

  • 冨岡 大安
    セールス(法人)

    冨岡 大安

    1999年入社
    東海支社
    ソリューション営業部門
    主査

  • 外山 敦史
    ソリューションエンジニア

    外山 敦史

    2001年入社
    東海支社
    ソリューションサービス部門 主査

  • 伊達 拓真
    セールス(法人)

    伊達 拓真

    2020年入社
    東海支社
    ソリューション営業部門

ROAD MAP

  • 1

    目的設定・
    実現方法検討

    愛知時計電機からの相談をきっかけに、同社ですでに実証実験が始まっていたスマートメーターの実現に乗り出す。他キャリアとの2回線体制(※)をゴールに設定し、ドコモの通信ネットワーク回線を活用した課題解決の方法を検討。
    ※複数の通信キャリアから回線を選択できる体制

  • 2

    価格調整・契約

    これまでドコモグループでは一部のスマートメーター産業へのサービス参入に苦戦していた。その原因の1つである価格に関する課題を解決するため、関連部署等と連携し、業界全体を束ねる戦略価格を設定して契約に至る。

  • 3

    設計・構築

    メーター機器に搭載する通信回線・無線ネットワークに加えて、IoTデバイスを管理するサービス、お客さまのクラウドサービスとつなぐ有線ネットワークという3つのサービスを組み合わせたソリューションを設計。愛知時計電機側のクラウドサーバーと連携したシステムを構築。

  • 4

    サービス運用

    他キャリアとの2回線体制でサービス運用を開始。今後は、集まったデータの利活用による新たなサービス開発の可能性を模索。

PHASE 01目的設定・実現方法検討

ドコモの高品質な通信ネットワークを活用し、
広範囲で使えるスマートメーターを。

名古屋市内に本社を構える愛知時計電機は、水道・ガスメーターのトップメーカーとして、製品のデジタル化を進めていた。このスマートメーターとは、各建物に備え付けられたメーターに通信の仕組みを搭載することで、それまで人の手で行っていた検針業務を自動化するIoTシステムのことだ。旧来のメーターを運用するなかでは、検針作業員の人手不足や検針作業そのものが難しい立地の問題などの課題があったが、スマートメーターに置き換えることにより、それらの課題解決のみならず、データの利活用といった新しいメリットも生まれる。
愛知時計電機ではすでにほかの通信キャリアと協働でスマートメーターの開発に取り組んでいたが、とある課題にぶつかったという。当時、入社4年目ながらセールスとして顧客のフロント対応を務めた伊達が語る。「1つのキャリアだけでは全エリアの通信をカバーしきれず、エンドユーザーである水道局やガス事業者から『広範囲で高品質な通信環境を担保してくれるドコモの回線を使えないか?』といったリクエストがあったそうなのです。そこでお客さまからご相談いただき、ドコモ回線に対応できるスマートメーターの実用化を目指しました」。こうしてプロジェクトが発足。元エンジニアで技術分野から契約までの橋渡しに強みを持つセールスの冨岡と、ソリューションエンジニアとして豊富な経験を持つ外山のほか、ドコモビジネスソリューションズとNTTコミュニケーションズの各専門部署のメンバーも加わり、ドコモの通信ネットワーク(LTE回線)(※)を活用したソリューションの提供に向けて動き出した。
※株式会社NTTドコモが提供元であり、NTTコミュニケーションズ株式会社及び株式会社ドコモビジネスソリューションズが代理人として販売しています。

phase

PHASE 02価格調整・契約

水道・ガス業界とドコモグループの
将来を見据えた戦略的価格を設定。

サービスを提供するにあたってまず重視されるのが、価格だ。ガスや水道の検針業務を人が行う場合のコストと、スマートメーターに置き換えた時のコストとを比較した際に、後者を選択してもらえる価格を提示しながらも、なおかつドコモグループにとって利益をもたらさなければビジネスは成り立たない。この価格調整で中心的な役割を果たしたのが冨岡だった。「ドコモグループではそれまでガス・水道のスマートメーターに関するサービスへの参入に苦戦しており、その原因の1つが価格にありました。しかし、スマートメーターの普及は社会課題解決の一助となり得ること。そこにドコモグループのリソースを活用すべきという思いは揺るぎませんでした。将来的には業界にとっても我々にとっても必ず大きなメリットが生まれるはず。そこで、関連部署と連携して業界向けの戦略価格を設定したのです」。
この価格を設定するためには幹部に承認を得る必要があるが、ここが冨岡の苦労した点だ。さまざまなリスクを鑑みた指摘が入るので、その度に何度も資料を改善していったという。やっと承認を得て、契約書の作成にまでこぎつけた。入社以来25年ほどのキャリアを歩んできた冨岡にとっても初めての連続だったというが、自身の経験を活かして主体的にプロジェクトを動かす喜びを感じられたと言う。

価格調整・契約 価格調整・契約
phase

PHASE 03設計・構築

複数のソリューションを組み合わせて、
最適なシステムを実現。

契約業務と並行して、具体的なソリューションの組み合わせが検討されていた。中心となって動いていたのはソリューションエンジニアの外山だ。「メーター(端末)からLTE回線を通じてデータが集まるわけですが、そこからお客さまのシステムへどのように連携させるのがベストか、NTTコミュニケーションズの専門部署と連携しながら考えていきました。まずは伊達さんとともにお客さまの要望を噛み砕き、最適なシステム構成を検討。その結果、『docomo IoTデバイス管理』というサービスと、さらにお客さまが運営するクラウドサーバーと連携するために『Arcstar Universal One』という閉域のVPNサービスを提供することになりました」。つまり、通信回線・無線ネットワーク(LTE)と、IoTデバイスを管理するサービス(docomo IoTデバイス管理)と、さらにお客さまのクラウドサーバーへとつながる有線ネットワーク(Arcstar Universal One)という、3つのソリューションを提供することになったのだ。
こうして具体的なシステム構成を決定すると、設計・構築業務が始まる。端末ベンダーや愛知時計電機側のシステム構築業者とNTTコミュニケーションズの専門部署など、さまざまな立場の技術者たちと意識を合わせながら設計・構築が進められた。全国で利用される大規模なインフラシステムであり、さらにIoT分野でもコアな通信技術を扱うことに苦労しながらも、だからこそ得られる新しい知識と経験に、外山は技術者としての喜びを実感したと語る。

設計・構築
phase

PHASE 04サービス運用

社会課題の解決に貢献しながら、
より便利なサービス開発の可能性も。

こうして2023年8月に水道の、そして2024年3月にLPガスのスマートメーターの運用が始まった。伊達が当時を振り返る。「スマートメーター産業はドコモグループが後手に回っていたため、いかにお客さまとリレーションを構築するかが重要なポイントでした。まず自分たちでインプットに注力することはもちろん、お客さまの元へ通って業界のことを教えていただきながら、ドコモグループと一緒に取り組むメリットを感じていただけるよう努めました」。この努力の結果、伊達は入社4年目ながら予算数十億円規模の本プロジェクトを任されることとなり、大きな自信を得られたと話す。また、自身が関わったプロジェクトが世の中で広く利用されるサービスになったことは、この上ない喜びだったと言う。
スマートメーターの普及がそれまで抱えていた課題の解決につながったことを冨岡は強く実感しているという。「今回はエンドユーザーにあたる水道局の方とお話する機会があり、自動化されてとても助かっているという嬉しいお声を聞くことができました。また、漏水などのトラブルもどこで起きているのか絞り込めるので素早く対応できたと聞いています。仕事を通じて、社会に便利と安心を届けられたことを誇りに感じます」。
これから先も安定した運用を支えながら、次のステップを見据えた動きも始まっている。外山が語る。「スマートメーターによって、これまでは1〜2ヶ月に1度だけ人の手で集めていた使用量のデータを、日々収集できます。このデータはユーザーのニーズに合った料金プランの作成など、新しいサービスの開発にも役立つのではないでしょうか。そして、IoTのメリットを存分に発揮できるのが災害時。ガスは自動で閉栓されますが、その復旧を遠隔で行えるのでとても便利です」。スマートメーターがある社会は、これからますます便利に進化していくことだろう。

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SPECIAL COLUMN

プロジェクトメンバーに
聞いてみました!

今回のプロジェクトを通じて学んだことや、ご自身の今後の展望を教えてください!

  • 今回はチームの3名それぞれの強みを活かす役割分担をしながらも、3名みんながリーダーといったイメージで動きました。エンドユーザーを含むお客さまと関わった経験を活かして、またエンジニア業務にも挑戦したいです。

    冨岡
    冨岡
  • 今回のプロジェクトを通じて得た知識を別の案件にも活かし、より多くのお客さまに貢献できればと思います。今後も新しい技術領域に積極的にトライしながら、得られたノウハウを周囲に展開していきたいと思います。

    外山
    外山
  • お客さまや社内関係者との調整を通じて多くのことを学びました。大規模プロジェクトのセールスを経験し、また新たに挑戦したい仕事も見えてきました。今後はビジネスの全体像を見据えて戦略を練る仕事にチャレンジしたいです。

    伊達
    伊達